黒部　上の廊下1

念願の黒部/上の廊下を下降に挑戦。更には秘境の薬師見平を立ち寄るというまさに贅沢な企画。
ガイドは伝説の志水哲也さん、しかし折立から太郎小屋までの登りは通常5Ｈかかるところを3Ｈで登るという、ハイペースの山行（涙）。天候が下り坂だったので、薬師沢小屋泊まりとすることを決め、そこへ向かう途中の沢で渓流釣り。私がイワナを2匹ゲット、夕食のおかずにした。

翌朝は雨だったがそれでもめげず上の廊下を下降開始、Ａ～Ｅ沢を順当に下り＆渡行。 9月だと石の上はコケで覆われ、滑りやすくなりとても危険（涙）。
上の廊下の名物/立岩奇岩を堪能した後は、金作谷出会500ｍ上流の支沢を登り、その後は藪漕ぎして薬師見平を目指す。しかし、藪が深すぎて時間切れ・・・薬師見平を行くのを諦める（若干俺が足引っ張ったなぁと体力の無さにやや反省）。
Ａさんにロープワークの確認しながら急な沢を懸垂下降交えて降り、上ノ黒ビンガ上流でキャンプ地を確保。そして雨の中で焚き火をして一服、火を起こす極意はＨさんから伝授「小枝を一方向に均等に並べて足で踏み、断熱にて火を起こす。ガムテープを着火材代わりに火をつける」とのこと。
テントの中でシラフカバーに潜り込んで就寝・・・しかしメチャ寒く時より目を覚ます（涙）。

次の日も雨・・・ターフを忘れたためテントの中は雨水が溜まっていた（爆）。雨で沢道具は乾くことなく、疲労もとれぬまま。更に一晩中降った雨で沢は増水・・・あえなく撤退を決める（涙）。
気分を切り替え遡行開始、振子渡行や岩にハーケン打ち込んだトラバースなど交えながら岩苔小谷へ。この支沢をちょっと登ったところで渓流釣り、Ｈさんが毛ばりで大きなイワナ3匹ゲット、美味しそう♪
その後は不明瞭な踏跡を通って夢の平/竜晶池へ。竜晶池は仙人池以上に大きく、また周辺の木々や水面に映った薬師岳などすごく幻想的。その風景にしばし堪能した後は、高天原温泉に立ち寄り冷え切った体と心を癒し、高天原山荘まで移動して小屋泊まり。

最終日は待ちに待った快晴、岩肌むき出しの水晶岳を横目に下山。木道は霜で滑りやすく、山の季節の移り変わりは本当に早さにビックリ！
高天原峠を通り薬師沢小屋で一服、連休最終日だけ客も少なく静か。その後キツい登りを耐えて太郎小屋に入って昼食、小屋では既にこたつが設置されていた。
そして紅葉に囲まれた木道を通り、有峰湖を見下ろしながら折立へ下山。 3泊4日で天候に恵まれませんでしたが、沢登りに関する知識を高めることが出来て良かったです。

エリア	富山県/黒部
沢名	黒部　上の廊下
山行日	2008.09.20～24
コースタイム	9/20曇折立（8：30）→太郎小屋（11：30/12：00）→途中で渓流釣り→薬師沢小屋（16：00） 9/21雨薬師沢小屋（6：30）→立岩奇岩（9：30）→金作谷出会500ｍ上流の支沢（10：20/30） →その沢登って藪漕ぎ/藪が深すぎて薬師見平を行くのを諦める（15：00） →上ノ黒ビンガ　上流のキャンプ地（16：30） 9/22雨後曇増水してて撤退を決める上ノ黒ビンガ　上流キャンプ地（8：30）→岩苔小谷+渓流釣り(11：30/12：00）→踏跡→夢の平/竜晶池（15：30）→高天原温泉（16：30/17：00）→高天原山荘（17：30） 9/23晴高天原山荘（7：00）→薬師沢小屋（10：00/15）→太郎小屋（12:00/40）→折立（14：30）
コメント	・沢登りする際、登山靴は重い荷物になるため、薬師沢小屋までは運動靴にすると良い。・9月の上ノ廊下は、石はコケで覆われて滑りやすくなりとても危険。また所々残雪もあって寒い。・火を早く起こすには「小枝を一方向に均等に並べて、足で踏んで断熱させる」と良い。・ガムテープの粘着材は着火材代わりにもなり、非常時には便利。・岩苔小谷近くに踏跡があり、そこを登ると夢ノ平と高天原温泉との間の登山道に出られる。　（しかし、この踏跡は不明瞭でＧＰＳなければ、あまり利用しない方が良いかと）　（また、かなりの急勾配で絶壁の横を通る箇所もあり、雨降って泥濘んだ時は避けた方が良いかと）・9月下旬でもテントに定員数入れば、テント内は体熱で十分暖かく、シュラフカバーだけで一晩過ごせる。・高天原山荘は自家発電を行わないため、ヘッドランプ要です。　（ランプの光の下で夕食とるのはなかなかいい雰囲気です）
参考資料	・アルプスの沢（白山書房）