初日は朝からあいにくの雨・・・天候回復することを信じて登山開始。 ガスの切れ間から時より見られる紅葉の室堂、それが唯一の励みだ。
剣御前小屋を抜ければ、しばらくは下りで楽チンと思いきや、時々アラレも降って寒くてかなわない(涙)。 また急な斜面に脆い岩場や滑りやすい雪渓に大きなクレバスなど、緊張の連続。
特に上部がガスで隠れていた長次郎雪渓は引き込まれそうなくらい、独特の雰囲気を醸し出していてやや恐怖を感じる。

剱沢雪渓が終わった辺りに真砂沢ロッジがあり、一息できそうと思いきや前日に営業終了していた(爆)。 仕方なく、更に3時間かけて仙人池ヒュッテを目指す。
水嵩が低かったため沢沿いを歩くのは特に抵抗も無かったが、二股/近藤岩を越え仙人新道の急登に差し掛かった時はかなりバテた。 暗くなる前に仙人池ヒュッテに着かなければとやや気も焦る始末。
そんな時、視界が開けてきて三ノ窓雪渓が眼前に!!! 素晴らしい光景で気分も持ち直し、寒さに震えながらも何とか無事仙人池ヒュッテに到着。

翌朝は昨日までの天気が嘘のような快晴の空、朝日に照らされた裏剣/八ツ峰、そしてそれを映し出す仙人池。 空を突き刺すような鋭鋒群、日本とは思えない光景! 無理して来た甲斐があった。
その後は仙人池ヒュッテにザックを置いたまま、仙人峠を越えて池ノ平へ移動。 ここから見上げるチンネ・ジャンダルム・小窓ノ王は仙人池とは異なり、眼前に迫って来る感じで違った面を楽しめる(写真参照)。 池ノ平山やその東側に隣接する大窓もその急勾配にビックリ。
大窓&小窓/春山スキールートや北方稜線/岩場越えルートの偵察も兼ねて立ち寄ってみたが、ここを越えるには技術/体力も大事だが気力はもっと必要かなぁ(爆)。 その険しい姿にやや意気消沈してしまった。

その後仙人池ヒュッテに戻り、名物おばーちゃんに別れの挨拶し、仙人温泉小屋へ。 ちょっと源泉を覗いた後は新しく出来た登山道/雲切新道を通って阿曽原小屋へ。 ロープやハジゴなど十分整備され通りやすかったが、下りが約4.5時間続くため膝がガクガク(涙)。 阿曽原小屋では夕方/夜と2回も温泉に入り、疲れを癒した。
月明かりの下で星空を眺めながら入る温泉は、体だけでなく心も休まりますね。 その夜は1つの布団に3人で寝る激込み具合でありながら、爆睡しちゃいました(笑)。

最終日の朝、日も出ない3時半にヘッドライトで暗い登山道を照らしながらの出発。 昨年も通っているが足元やや不安、そのため6人ほどのパーティの最後尾に着いて行くことにした。 最も危険な岩切の水平道を通る頃には、日は出ていましたがそれでも怖い・・・ 恐る恐る慎重に渡り、約5時間ほどで欅平へ。
始発のトロッコ列車は登山客で賑わっていた。 時間に余裕があったので、途中の鐘釣駅で下車し、川原に面した温泉で一服。 源泉湯と川水が入り混じり、熱いところと冷たいところがやや極端だったが、なかなか面白い温泉だった。

日本離れした鋭い岩肌むき出しの裏剣、改めて富山の自然の素晴らしさに感動した。 沢を代表するのが赤木沢なら、岩は裏剣でしょうか?
また、大窓&小窓/春山スキールートや北方稜線/岩場越えルートの偵察も出来てよかったです。 どちらも挑戦してみたいが、技術/体力共にまだまだかなぁ(涙)。

エリア 立山&黒部
山名 裏剣
山行日 2008.10.11〜13
コースタイム 10/11(土) 雨のち曇 時々アラレ
室堂(9:00)→剱沢小屋(12:00/10)→真砂沢ロッジ(14:00/10)→仙人池ヒュッテ(17:00)

10/12(日) 晴
仙人池ヒュッテ(6:30)→池ノ平 (8:00/15)→仙人池ヒュッテ(9:15/25)→仙人温泉小屋(11:00/10)→阿曽原小屋(15:00)

10/13(月) 晴
阿曽原小屋(3:30)→欅平(8:30) 〜トロッコ列車乗車〜鐘釣駅で途中下車/川原の温泉〜宇奈月駅

コメント ・9月末で初雪降ることもあるため、防寒着はしっかりと。
・秋頃でも剱沢雪渓は十分残っていて、また大きなクレバスが所々あり、通るときは慎重に。
  (アイゼンがあると便利だが、必ずしも必要というわけではないかと。夏なら必要かなぁ)
・真砂沢ロッジは10/10頃で営業終了します、泊まる予定の際は事前確認要。
・二股/近藤岩から仙人新道への急登はかなりキツイ、時間に余裕をもって行動を。
 (約50分でベンチのある展望に出て、そこから三ノ窓雪渓の写真を撮るには絶好の場所かと)
・仙人池に映し出される裏剣の写真を撮るには、早朝5:30〜6:30が良いかと。
 (朝日に照らされてとてもきれいです)
・池ノ平へ向かい際は水と行動食だけ持ち、ザックは置いていった方が身軽で良いかと。
 (仙人池とは異なりチンネ・ジャンダルム・小窓ノ王など眼前に迫って来る感じで違った面を楽しめます)
 (時間が無いときは、登り約30分の仙人峠まででも十分良いかと)
・池ノ平小屋の裏からは大窓が見られます。
・池ノ平小屋から北方稜線を抜け剣岳&早月尾根へ向かうには、鉱山道を通って小窓雪渓へ1度下りてから稜線を登ると良いかと。
・仙人温泉小屋から仙人ダムまでは新しい登山道/雲切新道に変わっているため、新しい地図持っているか事前確認した方が良いかと(足場が悪い分、ロープやハシゴがしっかり整備されていて安心)
・10月の連休の阿曽原小屋は激込み、1ヶ月ほど前から予約しないとツライです。
・10月の連休の黒部渓谷トロッコ列車も激込みで、12:00〜16:00の座席は満席になることが多い。
 (AM11:00頃までに欅平駅に着いていた方が良いかと)。
・時間があれば鐘釣駅で途中下車して、川沿い温泉を立ち寄るのをオススメ。

依然雪が残る険しい剣沢

そそられる平蔵谷雪渓
引き込まれそうな長次郎谷雪渓

どっしり構えた巨大な近藤岩

見惚れてしまう三ノ窓雪渓(仙人新道の急登より)
長く伸びる剣沢(仙人新道の急登より)

紅葉に包まれた仙人池ヒュッテ

翌朝の雲海

朝日で赤く染まる裏剣/八ツ峰とそれを映し出す仙人池