ヤマハ 掛川ピアノ工場 見学

ヤマハのピアノはこの掛川工場で作られている。
いろんな工程を経て、調整・調律を繰り返し、ベストの音になるように。
まさに音楽のプロ集団ですね。
その工場見学を終えて、分かったことを箇条書きで以下にまとめました、参考までに。

・ピアノの心臓は響板、材質はマツ科スプル-スで、材質選定が一番大事。
(マグロを目利きし、最高のトロを得るようなもの)

・響板は数種類の板を張り合わせて出来ている。
(展示室では、響板の材質をスプ−ス(木材)、ガラス、アルミで音の聞き比べが出来る)

・木は天然乾燥と人工乾燥で半年から1年かけて、水分を10%以下にする。
(湿った空気が工場内に入らないように2重扉になっている)

・ハンマーの材質は羊毛(フェルト)で出来ている。
(ハンマ−の材質を羊毛(フェルト)、鹿革、ゴム、ロ−ズウッド、アルミ、銅、鉄で音の聞き比べが出来る)

・1本の弦には約90kgの力がかかり、ピアノの鍵盤数88に対し弦の数は約230本あるため、
230本×90kg=20ton の力がかかり、それをフレ−ム(鉄製)で支えている。
(フレームは砂型で成形する、砂の細かい粒子が良いとか)

・ピアノの音量を大きくするために弦の張力を増し、細い弦では対応できないので巻弦が用いられている。
(低音は巻き線弦ですが、中音と高音は銅線を巻かない裸線を用いています)

・中高音は1つの鍵盤に対して3本ずつ弦を張り、低音に行くにつれては3本、2本、1本と減らす。
(低音から高音になるに従って弦の長さを短くなり、高音に行くほど細くなる)
(弦が太いと、音が低く、長い。弦が短いと、音は高く、短い)

・掛川工場は東京ド−ム5ケ分、30台/日のピアノが出来る。調整・調律など最後は機械ではなく、人間が行う。

・グランドピアノの部品は約8000個、グランドピアノを作るのに約1年かかる。

・弦が長く響板が大きくなるほど値段が上がる。

・掛川工場ではグランドピアノ C3X(230万円)、S3X(460万円)、S6X(540万円)の3種類を弾き比べできる。
(コンサ−トピアノはCFXシリ−ズになる)

・演奏者が聴くのと、観客が聴くのでは音が違って聞こえる。




ヤマハ 掛川ピアノ工場 見学

鍵盤柄のオシャレな駐車場

展示室のピアノの譜面立て和風

エルトン・ジョンがヤマハ独自の遠隔技術で世界11カ国の会場にピアノが置かれた演奏された

小室哲哉さんのオーダーメイドピアノ、ガラス張りでキレイ

創業当時のリードオルガン、かなり貴重な展示品

20世紀を代表するピアノの巨人/リヒテルの展示室

リヒテルが使用したコンサート・グランド「CFIIIS」

チェレスタが試弾できる、面白い

グランドピアノ C3X、S3X、S6Xの3種類を弾き比べも出来るからすごい

張られている弦、それを叩くハンマー、それをおさえるダンパ

グランドピアノの断面図、構造が分かり易い

響板に使用されている木材の紹介