山名 劔岳 北方稜線
山行日 2013.09.21〜23
コースタイム 1日目
室堂12:00〜 剣山荘15:30

2日目
剣山荘4:00〜剣岳山頂7:00〜池ノ谷乗越9:45〜池の谷ガリー〜三 ノ窓10:10〜小窓11:30〜池の平小屋12:30

3日目
池の平小屋6:30〜 真砂沢ロッジ10:00〜室堂15:00


<感想>
3連休は剣岳北方稜線へ。
険しい岩場の連続な上、ルートも不明確なバリエーションルート。

最もルートファインディングが難しかったのは剣岳山頂〜池ノ谷乗越の間。
無数に踏み跡があるが、その先は崩れていて、本当に通れるのか不明・・・
少し時間はかかるがロープを使ってのセルフビレイを取りながら通過、ここは安全第一ですネ!
天候崩れる前に池ノ谷乗越までたどり着ければ、まずはひと安心。

池の谷ガリーは落石を作らずに下るのが非常に難しく、大きい落石となればヘルメット被ってても即時(爆)。
三ノ窓まで降り て岸壁を見上げると、チンネ左稜線で掛け声かけてロッククライミングしているパーティを発見。
元気ですネェ、三ノ窓でベースキャンプを張って挑んでいました。

三ノ窓から小窓王側壁を登り、その後は小窓の頭をトラバース気味に下って雪渓を渡り。
この雪渓も9月となればアイゼン無しでも渡れますが、落ちればタダではすみません。
小窓まではそれらしき踏跡を進み、小窓雪渓を約250mほど下って、旧鉱山道へ辿る目印が現れたら雪渓から離れ
る。 ガスかかっていたら見落とし易いので、その際は標高差で判断するとイイです。

なお、旧鉱山道とはいえ幅1mも無い上に、隣は崖。
所々ロープ張られていますが、最後の最 後まで気が抜けないデス。
池の平小屋では、ドッと疲れが出ちゃいました。

池の平小屋では名物の薪風呂、チンネや八ヶ峰などの険しい岩山を眺めながらの入浴できてサイコーです。
夕食も山芋 かけごはんにキノコ汁と贅沢に山の幸を堪能、心身とも癒されました。
山小屋自体も古風でスタッフも温かみがあり、泊まりに来るだけでも楽しいかと思います。

翌日は真砂沢ロッジまで下って、それからはキツい剣沢の登り・・・これが1番ツラかった。
汗 が滝のように流れ、ヒーヒー・ ハーハーの連続。
もう少し足腰、鍛えないとね。

<注意事項>
・剣岳北方稜線は、剣山荘から行くよりも池の平小屋から行く方が、ルート ファインディングし易いが、ガスってしまえばどのルートも同じです。
体力温存を考慮したら、剣山荘から 登るのも良いかも。
少なくとも剣岳山頂〜 池ノ谷乗越が最も注意が必要で、早い段階で抜けることが先決です。
池ノ谷乗越から長次郎谷右俣を下って剣沢雪渓へエス ケープすることも可能ですし、剣岳山頂〜池ノ谷乗越の間には、岩壁に囲まれたビバークポイントもあります。

・池の谷ガリーでは、東側壁中間部に落石を避けられる岩壁が立っているため、登りの際は東側壁に沿って上がると良いです。

・雪の状態にもよりますが、8月上旬であれば三ノ窓から池の谷左俣を下って 馬場島へエスケープすることも可能です。
それ以降は雪渓が崩れて通れない可能性があります。

・小窓雪渓から旧鉱山道へ辿る目印はガスっていると見落とし易い。
標高差を 約250mを意識して下ると良いです。
小窓雪渓を挟んで向かい側には小さな滝があるため、それを目印にするのも良いですが、早い時期だとそれも雪渓に覆われ判断し難いデス。


<カニのよこばい>
眠気が覚める岩のトラバース。
太い鎖はあるけども、緊張します(涙)。
<カニのたてばい>
いつも渋滞する場所(涙)。
この高度差のある場所で待たされるのはツライです。
<劔岳山頂>
渋滞に巻き込まれ、3時間かかってようやく劔岳山頂に到着。
でも、立山連峰を一望でき、気持ち良かったデス。
<北方稜線入口>
注意の看板、でも進みますよ!
これからが本番、三点支持の原則で!
<長次郎のコル>
長次郎の頭までは道なりに進む。
上部は雪が完全に溶けて、岩肌が剥き出しでした。
<長次郎のコル>
ヘルメット被っていない先行者がいると、落石で怪我しないか心配。
距離を取りながら、ルンゼを慎重に下る。
<長次郎の頭>
険しい登りだが、お助けロープが張られていて、中間のバンドを長次郎谷側へ回り込む。
長次郎の頭の裏側はハイマツを利用して抜ける(下り過ぎはNG)。
<ハッ峰>
八ッ峰が徐々に迫ってきます。
僅かなマーキングと小さなケルンが所々あるが、少しでもガスったら全く分からなくなりそう(涙)。
<振り返って劔岳山頂>
振り返ってみれば劔岳山頂で賑わう登山者たちが見える。
ココとは天国と地獄くらいの差があるかなぁ?
<緊張するトラバース>
落ちれば即死デス。
一応お助けロープありますが・・・
<ビバークポイント>
途中ビバークポイントがあり、焚火した跡も残っていた。
テント3張できそうなくらいのスペース有ります。
<八ッ峰の頭>
池ノ谷乗越手前の岩峰(小さな双耳峰)への下るころには、八ッ峰の頭が見えてくる。
この独特の岩の形には、クライマーの血が騒ぎそうデス。
<池ノ谷乗越>
池ノ谷乗越へ下ってきた岩壁。
険しく見えますが、ホールド&スタンス共にしっかりしていて、ロープ無くても降りてこれます
<池ノ谷ガリー>
蟻地獄の池ノ谷ガリー、落石を落とさないようなるべく端の方を歩く。
なお、登ってくる人が落石から避けられる場所が中間部のチンネ側にある。
(正面には、小窓の王までのキツイ登り坂が見られる)
<チンネ>
池ノ谷ガリーを下り、三ノ窓から見上げたチンネ。
クライマーが頑張っている姿が見られました。
(三ノ窓にはテント10張ほどのスペースあります)
<チンネ前の雪渓>
チンネ左稜線手前で記念撮影!
遠くには千人小屋が見られ、先はまだまだありそうです(涙)。
<三ノ窓>
三ノ窓から池ノ谷を見下ろしたところ。
雪渓が残っている8月上旬までなら、馬場島から登ってこられそう。
<小窓王>
小窓王まで登って振り返って見た池ノ谷ガリー
ここを下ってきたのかと思うと、自分自身に感心してしまいます。