ウィスキー工場見学 in 京都/山崎


カクテルのベースとなるウィスキーの造り方を学びたく、ウィスキー工場を見学。
どの製造工程でも拘りをもった職人的な仕事内容に驚かされた。

なお、ウィスキーは以下のような工程を経て作られる。
製麦 → 仕込 → 発酵 → 蒸留 → 貯酒 → ブレンド → ビン詰め


< 山崎へ >
ビール工場に引き続き、今度はウィスキー工場を見学。 ウィスキーの産地は、アイルランド、スコットランド、アメリカ、カナダ、日本の5カ国が有名。

サントリーでは京都/山アと山梨/白州の2工場があり、そのうち日本初の蒸留所を開設した年期のある京都/山アを工場見学場所として選んだ。


< ウィスキー資料館 >
受付を済ませ、ウィスキー資料館へ。
ウィスキーの生産初期のボトルや当時の新聞、CMなどが展示させていて、長い歴史を感じられた。
なお、国産第1号のウィスキーは1929年(昭和4年)発売された「白札」、1度は飲んでみたいものですね。

続くホールにはロット毎のウィスキーがズラリと飾られ、また中央には巨大ポットスチルも置かれ、圧巻だった!
黒い巨大ポットスチルには、アニメ「スチーム・ボーイ」を思い出させられるのは私だけ?


< 製麦 >
ビールと同様に粒が揃った良質の二条大麦を水・空気・適温で発芽させ、その芽を乾燥させて「麦芽」を作る。
マザーウォーターは、茶聖で知られる千利休も利用していた天王山のミネラル豊富な天然水を使用している。

コクがあって甘みがある京都/山アに対し、ドライな山梨/白州のように、加える天然水の微妙な味で仕上がりも変わるとか。
試食の際に飲み比べさせてもらったが、確かに味は微妙に異なっていた。


< 仕込 >
出来た「麦芽」を砕いて天然水と適度な温度を加えることで、麦芽中のデンプンが糖に変わった「麦汁」を作る。

この段階で糖度は14%とメロンぐらいの甘さがあるとか、ちょっと飲んでみたかったなぁ。


< 発酵 >
そして「麦汁」に酵母を加え低温発酵させ、「麦汁」に含まれる糖をアルコールと炭酸ガスに分解する。
発酵槽には、ステンレス槽の他に、保温性に優れた木桶槽を多く使用している。

また、木桶槽は自然の乳酸菌が住きつき易く、「麦汁」に味わいを出してくれる特徴がある。
まさに微生物との共存ですね。


< 蒸留 >
アルコールの沸点の違いを利用し、独特の形をしたポットスチル/単式蒸留釜で、アルコールだけを取り出す。
ポットスチルは熱伝導率の高い銅で作られ、またその曲線は微妙な味や香りを左右する。

ここで出来たばかりのウィスキーを「ニューポット」といい、アルコール度数は約70%。
実際に香りをかかせてもらったが、焼酎のような感じで無色透明でした。


< 貯酒 >
樽に「ニューポット」を詰め、暗室・低温貯蔵し、熟成させる。
そして、約10年ほどで樽の20〜30%蒸発し、味は深まり色も濃くなっていく。

ウィスキーの熟成度は、樽がもつ香成分にも左右されるため、その木材選定にもかなり気をはっている。

< 樽の試作 >
小さな樽に詰めて熟成させ、木材成分が味に与える影響を調べたサンプル。
新樽は香りが強いため熟成が速く、数回使用した樽は長期熟成に最適な木香を出すそうです。
以下はその樽の種類です。

・内側を軽く焼いてバーボンの熟成に1回使用したバ-レン
・バ-レンを1度解体し、再利用したホックスヘッド
・北米産ホワイトオークの柾目板だけ使用したパンチョン
・シェリーの貯蔵用に作られたヨーロピアンオークのシェリー樽
・日本産オークのミズラナ樽

< ブレンド >
各々の樽から作られるウィスキーは微妙に味や香りが異なるため、飲む比べてブレンドし、品質を統一している。
そのテイスティングも機械でなく、人間の舌で管理しているのだから驚きである。

これらの拘りある仕事ぶりが世界にも認められ、毎年数多くの賞を受賞している。
なお、この山崎蒸留所で作られてた日本最高級のウィスキー「響 30年」は10万円/1本もします。