イノシシ 捌く



知り合いの猟師から頂いたイノシシ。
罠で獲ったものでそれほどキズもなく、重さ45kgと肉付きも良いデス。
ちなみにイノシシを罠で捕える方法は以下になります。

・イノシシを捉えるには一般的に「箱わな(オリ)」を使用する。
・オリの隙間は10cm×5cmがベスト。
(10cm×10cmだどウリ坊などは逃げてしまう)
・イノシシの出産は1回/年、1〜2歳で半分は死んでしまう。
・イノシシは畑に隣接するコナラの林や耕作放棄地に生息するが、季節によって変わる。
(寝床は山の稜線が多い)
・活発な活動するのは6〜10月。
・被害ある畑のすぐ横にオリを設置しても効果はない。
(まわりにエサがたくさんあるため)
(電気柵がされている畑では、オリを近くに設置しても問題はない)
・獣道にオリを置いても、逆に警戒されるだけで効果はない。
・通り道の近くに、まき餌を茶碗1〜2杯分まく。
(それ以上の量だど逆に警戒されるためNG。エサを変えるのもNG)
・まき餌は2〜3回行い、徐々に警戒心を解いていく。
・まき餌の食べ跡で、イノシシ・タヌキ・キジ・クマなど判断してオリを設置する。
(イノシシの場合は、土まで舐めとるため、当たりはキレイになっている)
・オリはまき餌の近くに設置し、周辺は草刈りしておく。
・見回りし易い雑木林で、薄暗いところが、オリ設置に適している。
・捕らえた際の銃殺しやすい向きを考慮してオリを設置する。
・オリの中に土を入れて、下の格子を隠して警戒を解く。
・オリ設置後は、まき餌を徐々にオリに近づける。
・見回りは1〜2名に絞り、少数の人間の匂いだけに留めておく。
(多数の人間が出入りすると、その分匂いが残って警戒されるため)
・イノシシの嗅覚は、犬の5倍ほど優れている。
・ラインに触れると扉が締まる仕掛け糸には、沖釣り用のPE4〜5号が適している。
(ただし、色は黒・茶・赤は良いが、青色は見破られることが多いのでNG)
・ラインの設置は、親イノシシがオリの中に入った形跡があった後で行う。
 (最初から行うと、ウリ坊などしか捕れないことが多いので)
・間違ってクマなどが捕獲されて時のために、オリの天井には30cmの丸穴を設ける。
・イノシシを畑に近づけさせない方法は、周辺を伐採・草刈して見通しを良くする。
   



冬場は食べ物がないので木の根をほじくっている


イノシシの糞


イノシシの罠のうんちくはさておき、早速イノシシを解体。
だいぶ慣れてきたとはいえ、ひとりで捌くのも1日がかり(涙)。

なお、動物の解体法には、以下の4つに分けられる。
・皮を剥ぎとる方法(なめしも作れる一般的なやり方)
・毛を剃り落とす方法(皮下脂肪もとれ、料理重視ならこの方法)
・バーナーなどで毛を焼き払う方法(作業は楽だが、肉質が落ちる)
・お湯をかけ、毛をむしる方法(鳥などによく使われる)

なめしも作りたかったので、今回は皮を剥ぎとる方法で処理。
途中トンビやカラスが近寄ってきて、追い払うのにも一苦労。
暗くなる前に解体処理を終えることが出来て、今はホッとしています。
(やっぱり吊るした方が早く終えられそうですネ)



内蔵を取り除く


足の方から順に皮を剥いでいく


解体処理、完了。


<イノシシの衝立>
解体したイノシシの毛皮を使用し、まずはなめし作り。
毛皮に付着した余分な皮下脂肪をナイフで削ぎ落とし
取りきれない部分は高圧洗浄機で飛ばして処理。

その後ミョウバンと塩を混ぜたバケツに漬け、1回/日かき混ぜて皮下脂肪を分解して落とす。
1week後に高圧洗浄機でそれらを洗い流し、木板に貼り付けて乾燥すれば、
ひとまずはなめしが完成する。

ほとんどは敷き皮にされるが、木板に貼り付けた時の見栄えが良かったので
そのまま衝立に加工しました。
まるでマタギの部屋みたいで、面白いインテリアになりました。