シンセサイザー

学研「大人の科学マガジン」で「テルミン」「アナログシンセサイザー」「スピーカー」「真空管アンプ」など
付録に付きで発売されていたので購入。
組み立てながら構造を理解できるので、勉強になりますね。
せっかくなので改良を加えながら、それぞれをつなぎ合わせてみたが、それなりに音が鳴って面白かったデス。

テルミンの改良品

テルミン、シンセサイザー、スピーカー、アンプの改良品(after)

大人の科学マガジンの付録(before)


<テルミン>
1920年に旧ソ連の物理学者レフ・テルミンが発明した世界最古の電子楽器で、
テルミン自体に触れずに空中の手の位置で音高と音量を操作する。
市販のものは4オクターブ半あるとか。
固定と可変の2つの高周波発振器から放たれる高周波と人間の微量な静電容量が
反応して音が鳴るというのがテルミンの仕組み。

具体的に言えば、片方の固定高周波f1=700kHz、もう一方の可変高周波f2=699.56KHz を発すると、その差
f1-f2=700kHz-699.56kHz=0.44kHz=440Hz
となり、音程「ラ」の音が出せる。
また、アンテナと手がコンデンサになるため、アンテナから手を近づけたり、遠ざけたりして、音量を変える。
鳴る音もホラー映画のような不気味なもので、当時に人にとってはさぞ衝撃的でしたでしょうね。

改良点はテルミンに付いている内部スピーカーをやめて外部スピーカーに接続できるようにし、
アンテナを丈夫なロッドアンテナに付け替え、最後にデコレーションしました。

テルミンの発展した楽器に「オンド・マルトノ」というものがある。
鍵盤を弾く方法と、鍵盤の前にはられたワイヤーに通されたリングをスライドさせて鳴らす方法があり、
独特の伸びのある音色が特徴です。

テルミンの原理

テルミン演奏のドキュメンタリー映画

テルミンの外部スピーカー化にし、ロッドアンテナに交換

最後にデコレーションして改良


<アナログシンセサイザー>
テルミンの技術を応用して1964年にシンセサイザーをロバート・モーグがシンセサイザーを開発した。
「音程」「音色」「音量」を調整し、電子的に音を合成(シンセ)して自分で音を作るというのがシンセサイザーの仕組み。
日本初のシンセサイザーは、ローランド創業者の梯郁太郎さんが1973年に開発したシンセサイザーSH-1000。

ちなみに、以下アナログシンセサイザーの改良点は、テスター棒型スティックの導線を、0.1mm厚みのステンレス製の板を接触させ、それらを数枚並べてテープで固定し、
板バネの伸縮を利用して、カーボンパネルと通電/ON・OFFすることで、鍵盤式に音が操作できるようにしました。

付録のアナログシンセサイザー

0.1mm厚みのステンレス製の板を接触させ(写真はイメージ)、それを数枚並べる

数枚のステンレス板をテープで固定し、板バネの伸縮を利用して鍵盤式に改良


<アナログシンセサイザーの操作>
シンセサイザーは電子的に音を合成して、「音程」「音色」「音量」を調整して、ピアノ、ギター、ドラムなどの音が出せる。
具体的には以下の「オシレータ」「フィルタ」「アンプ」を操作する。

「オシレータ」とは、以下音の波形を選び、元の音を決める。
・サイン派(正弦波)・・・倍音を全く含まないパッドやフルート的な音色
・三角派・・・少し倍音を含む太いベース(直線的に上げ下げを繰り返す)
・パルス派(短形派)・・・三角派に近いより倍音を含んだ音、ベースやリード(幅50%のパルス派で、2つの値を繰り返す)
・のこぎり派・・・倍音を多く含む派手な音

「フィルタ」とは、音の特徴を変える。同じ波でも一部の音の周波数をカットして別の音のように聞こえる
(イコライザーも低音強調したりボーカルの声を強調したりさせる機能)

「アンプ」は、音の出し方を決める。
・音が出始めたから最大音量に達するまでの時間の設定/アタック(atack)
・最大音量から減衰していく時間/ディケイ(decay)
・ディケイの後に同じ音が続く時間/サスティン(sustain)
・鍵盤を離してから音がセロになるまでの時間リリース(release)

ピアノはアタック、ディケイ、サスティン、リリースがあるが、パイプオルガンにはアタック、リリースしかない。
なお、エレキギターのエフェクターは「音色」を変えるもの。


<スピーカー>
ボイスコイルに電流が流れると電磁誘導により、周囲のマグネットと反応して振動が生まれ、
紙製のコーンにその振動が伝わり、空気へと振動させて音が鳴るといのがスピーカーの仕組み。
1925年にエドワードW.ケロッグとチェスターW.ライスが発明したもの。

改良点はダンボールスピーカーを取り外し、木製のスピーカーケースを作り、
内部に反響を抑える吸音材を入れてました。

一般的に小さいスピーカー「トゥィーター」は高音域、大きいスピーカー「ウーファー」は低音域、
中くらいのスピーカー「スコーカー」と役割分担されて音が鳴る。
5.1cHスピーカーは5方向と低音が一つ加わった臨場感あるスピーカーで、「.1」が低音になる。

ちなみにとボイルの実験「容器の中に時計を入れても音は鳴るが、容器の空気を抜くと音が聞こえなくなる」ことから、
「音は空気の振動である」と実験で証明された。

付録の段ボールスピーカー

木製の木枠を作り

最後に塗装して改良

スピーカーの原理


<真空管アンプ>
真空管アンプは少ない電流・電圧の調整で、大きな電流・電圧を操作する。
詳しく説明すると、カソード(ヒーター)を熱することで電子が飛びやすくなり、酸素や窒素などを除去した真空状態で
行うことでプレートに届きやすくし(エジソン効果)、その電子の量で大きな電流・電圧を増減している。
また、真空状態は同時にカソード(ヒーター)が酸化するのを防いでいる。

真空管を用いると歪が大きくなるが、トランジスタはその歪を少なし、また小スペース化にも
なっていて、現在主流になっている。
この歪が「音の温かみがある(昔のレコードのような雑音)」という人もいて、
古風さも相まって真空管をあえて使用する人もいる。

真空管の歴史として
1884年・・・エジソンが白熱電球を発明

1904年・・・エジソン効果を応用してフレミングが2極真空管(二極管)を発明

1906年・・・リー・ド・フォレストが3極真空管(三極管)を発明

真空管アンプ

真空管のメカニズム


<エレキギター>
エレキギターは、ピックアップが弦の振動を電気信号に変えることで音が鳴る。
詳しくは、磁石棒にエナメル線(銅線にエナメルコーティングしたもの)を巻き、そのコイルの上で弦が振動することで磁気が乱れ、
小さな電流(電気信号)が流れて、アンプで増幅させ、スピーカーを通して音が聞こえる仕組み。
磁力の強さやエナメル線の太さや巻数で音量は変わる。

なお、世界初のエレキギターは1931年、ジョージ・ビーチャム(アメリカ)のフライングパンで、今でもリッケンバッカー社に飾られている。
一度拝見してみたいですね。

大人の科学 エレキギター

ピックアップのメカニズム