シンセサイザー

スピーカーを通して電気信号を音に再現できるようになってから、音と電気の関係/特性を利用して新しい電気楽器や電子楽器が作られるようになった。
(糸電話で例えると、声が糸を介して振動を伝え、それが電気信号にとって代わったイメージ)

・電気楽器→エレキギター
・電子楽器→テルミン、シンセサイザー


<テルミン>
音の3要素である音程(高い低い)、音色(明るい暗い)、音量(大きい小さい)で音が形成されている。
テルミンは音程と音量を操作して演奏できるようにしたが、鍵盤やフレットがないため演奏も大変だった。


<アナルグシンセサイザー>
アナログシンセサイザーは音程、音色、音量を調整し、電子回路でそれらを電気の波で作り、
空気の波に変換された音を発する。
更に、つまみやスイッチでは操作性が悪いので、鍵盤式に改良して現在の形になっている。
詳細は以下になります。

1.音程(高い低い)
→発振器/オシレータ―VCO(Voltage-controlled oscillator)(電圧で制御されるという意)を使って、電気の波の周波数(波の幅)を調整

2.音色(明るい暗い)
→フィルターVCF(Voltage-controlled Filter)を使って電気の波の変化(波形)を調整

3.音量(大きい小さい)
→アンプVCA(Voltage Controlled Amplifier)を使って電気の波の大きさ(振幅)を調整

更に音楽的なもの(音の抑揚や調整、転調)にするため、高周波持続電流の振幅・周波数・位相などを信号で変化(モジュレーション:周波数変調)させ、時間的変化を加える。
それが、「エンベロープジェネレータ(EG:Envelope Generator)」や「ローファクトリーオシュレータ(LFO:Low Frequency Oscillator)(低い周波数を発生させる装置)」になります。

4.時間的変化
4.1エンベロープ・ジェネレーターEG→
フィルターとアンプを使って(アタック(Attack)、ディケイ(Decay)、サスティン(Sustain)、リリース(Release)を操作)調整する

4.2ローファクトリーオシュレータ(LFO)
→LFO信号をVCOに加え、音程を周期的に変化させ、ビブラート効果(音程の揺れ)を出せる(例)

<アナログシンセサイザーを使用した初ライブ>
初期型モーグ・シンセサイザーで演奏された「スイッチト・オン・バッハ」に衝撃を受けた松武秀樹さん。
第四のYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)と呼ばれ、初海外ツアーにモーグ・III-CとE-MU・カスタムモジュールシンセサイザーを使用した。
ソニーのカセットデンスケをデータ・ストア(記憶装置)とシーケンサーのローランド MC-8を介して。
ライブ中は機械の熱が上がり、それを冷やすして正常に動かくの苦労したというのだから、今では考えられないですね。
また、一部はコンピューターが代わりに演奏することになるため、音楽家にとってはショックなことでもありました。


<デジタルシンセサイザー>
アナログシンセサイザーとデジタルシンセサイザーは音作りの方法が異なる。
アナログシンセサイザーは音声信号をトランジスタなどの電子回路を使って増減/合成して音を作り、シンセサイザーにしか出せない音を作れる。
デジタルシンセサイザーは音声信号をデジタル回路(DSP(digital signal processor))を使ってアナログ信号からデジタル信号に変換して、
増減/合成して音を作り、楽器の音を再現するのに優れているが、固有の音は作れない。

<シンセサイザーは音作り方法>
1.VCO→VCF→VCA方式・・・元の波形からフィルターで倍音を削って音作りする減算合成

2.FM方式(Frequency Modulation)・・・複数のサイン波を足して音作りする加算合成方式(パイプオルガンもこの一種)
1980年代にYAMAHAが発売した「DX7」というシンセサイザーにFM方式が搭載された

「DX7」を真似たをFMシンセサイザーソウト「dexed」
・オシレータ―1(VCO1)から出た波形をオシレータ―2〜6(VCO2〜6)で変化させていく
・ハードウェアからソウフトウェアに移行し、DTMが主流となっている。 ・新しい音がなる楽器を作るようなものですね。

3.PCM方式(パルス符号変調 / Pulse Code Modulation)
アナログシンセサイザーのようなゼロから波形を生み出すのは大変な作業なため、生楽器の音をレコーディングし、音源として使う方式。

4.フィジカル・モデリング音源
生楽器の音が発生する仕組みを解析し、デジタル演算でシュミレートする音源方式
(弦楽器や管楽器は得意だが、打撃音や減衰音は計算が難しく不得意)


今では以下のような楽器も生まれ、電子音であふれている。
・ギターシンセサイザー
・ウィンドシンセサイザー
・電子チェンバロ
・電子アコーディオン
・デジタルターンテーブル

MIDI(Musical Instrument Digital Interface)の規格でシンセサイザーやPCとの間で音楽情報がやり取りでき、
DTM(Desktop Music)が生まれ、どんどん生楽器から遠きつつあり、クラシックが衰退しつつある。

5.ノイズ
周期をもたない周波数/音をノイズといい、ノイズによっては音が良くなることもある。
一定のエネルギーを持ったノイズをは白色光の周波数と似ていることから「ホワイト・ノイズ」
と言われ、音程幅(周波数比)のエネルギーが等しいものを「ピンクノイズ」という。

1980年代にYAMAHAが発売したFMシンセサイザー:DX7

FMシンセサイザーソウト dexed
(1980年代にYAMAHAが発売したFMシンセサイザー:DX7を真似たもの)