バイオリン専門店 シャコンヌ金沢店

テレビで放送していた「ストラディヴァリを科学する」で出演者/窪田様のバイオリン作りの拘りに興味を抱き、
シャコンヌ/金沢もりの里店を訪問。
ジブリアニメ「耳をすませば」のような雰囲気で木のぬくもりか感じられるお店でした。
移転記念フェア開催中に創業者/窪田さんが来店され、記念撮影して頂きました。
ちなみに、シャコンヌは海外の工房で手作りされた名作バイオリンを仕入れて、補修して販売しているため、
修理の技術力は驚かされる。
以下はいろいろ調べてみて分かったこと、参考までに。

・表板・裏板・横板の強度バランスが整っていてその中で共鳴するのが良いバイオリン。

・バイオリンは肉厚の薄いピンポン玉が跳ねるのと同じような考え方で、薄すぎると張った弦の力で変形したりするので相反する。
そのため、楽器の各部を指でたたいて一定の音になるようにすると強度が出る。
(強い部分は音が高く、弱い部分は音が低い。い板の方が振動がいきわたり、響きが良い。)

・バイオリンを風船に例えたら
玩具用の安い風船は、ゴムの厚さにムラがあり、薄かったり厚かったりして、その部分に応力が集中して割れやすい。
それに対し、気象観測用の風船は、厚みが一定に作った有り、非常に薄いにも関わらず、丈夫で割れ難く出来ている。
しかし、木は生き物で年輪や節などがあるため、肉厚を均一にしても強度は一定にならない。。
そのため、肉厚は不均一になるものの、音は一定になるように作る必要があり、それがバイオリン作りの難しい所。

・駒はサンドパーパーやヤスリはまり使わない。摩擦で焼き上がり、音程が変わる恐れがあるため。

・イタリアンスプルース(針葉樹)の松ヤニを煮込んでいくと炭に近い状態(炭は炭素、ダイアモンドも炭素)に固くなり
バイオリンに塗ることで強度は増され、高音の響きも良くなる。
(バイオリンに塗るニスの機能美と日本刀の灰によって出来る波紋は同じようなもの)

・ストラディヴァリの時代は、松ヤニを煮込んで濃縮し、油で溶いたニスを塗っていた(着色剤は使用しない)。

・油は酸化して固くなり、バイオリンの低音の響きが良くなる。

・年月が過ぎると乾燥が進み、音が良くなる。

・オークションで出品されるものの多くは、弦が無く、駒もペグも無いため、音を鳴らしての事前評価はできないので、バイオリンの状態だけで判断する。

・良いバイオリンとは、「広い会場の端まで良い音が聞こえる」ことが大事、それがストラディヴァリが高い理由でもある。
(ストラディヴァリは90歳までバイオリン作りに励んでいたオールドイタリー(クレモナ派、ベニス派などある))


シャコンヌ金沢店
移転オープン記念に立ち寄り

いろんな工具が置かれて、バイオリンの修理・調整に励む様子

深みのあるオールド楽器の数々
「Violin Bergonzi school probably Lorenzo Storioni」
「Violin Old Italian probably Giovanni Varotti」

「cello nestor dominique audinot paris 1870」も有り
試し弾きしてみたいが、とても高価で手が出せない

この曲線美が美しいですね
彫刻刀で削り上げる姿が思い浮かぶような

それ以外も芸術作品ばかり
これだけの品揃え、他にはなかなか無いですね

創業者/窪田さんと記念撮影

サインも頂きました